鼻をかむって恥ずかしい? でも鼻をすする癖はちょっと危険

2016年02月10日

小児科医 Dr. しろくま子の“みんなも知っていたらいいのにと思うこと”(水曜更新) 第3回

 

長引きやすい鼻風邪。うっとうしいですよね。そして豪快に鼻をかむと、周囲の視線を浴びてしまう。そのせいか、日本では鼻をすすっている姿をよく見かけます。でも鼻すすりはやめたほうがいい。その理由と子どもの頃から気をつけたいこと、失敗談などを語ります。「どうして当たり前のことを書くの?」と思われる方はお育ちがよろしいのでは。そう考える根拠についても説明します。

 

そもそも鼻をすするって

 

身体が外へ出そうとしている鼻水を押し戻して、風邪が治るのに役立つはずないですよね。逆にこじらせてしまいます。鼻がつながっているのは頭と耳。気づくと頭が重かったり、耳の奥が変な感じがしたり、という症状がある場合は要注意です。副鼻腔炎(いわゆる蓄膿)や中耳炎のサインかもしれないので、耳鼻科を受診しましょう。どちらの病気も熱がなく中途半端な不調が続いて見過ごされることがあります。小さな癖が風邪を長引かせるのだから、あなどれません。

 

頭のいい子は鼻をかむ?!

 

かなり前のことです。上司が「鼻をすすって口を開けている子が、賢いことはあまりない」というようなことを言っていました。本気か冗談かわからない調子で。単純な研修医だった自分は観察を始めました。その結果、あながちハズレでもなさそうという印象を抱きました。鼻水をため込んで息苦しくては、集中するのが難しい。だから才能も発揮できないということでしょう。入試でもティッシュペーパーは机の上に出しておけると思います。片方ずつゆっくりとした息であれば、鼻をかんでも音は小さくてすむかと…。

でも意識しないとついやってしまう鼻すすり

 

子どもの時にどのくらい注意されましたか? 鼻をかむように指導されてきましたか? 癖になっている人の多くは、小さい頃から鼻をすすっているはずです。これは鼻をかむということが、意識しなければやらないことだからだと考えられます。よく「うちの子はまだ鼻をかめなくて」という言葉を聞きますが、鼻をかむというのは歩くのとは違います。自然にできるようになることはあまり期待できません。たいてい放っておくと鼻すすりのほうを覚えてしまいます。何しろけっこうみんなやっているので。だから鼻をすすらないためには、本人がしっかり意識したり、周囲が声をかけたりする必要があるわけです。

 

鼻をかめるようになるまで

 

乳児は鼻をすすらなくとも中耳炎になります。鼻と耳の距離が短いせいもあるのでしょう。鼻をかむことができないので、鼻水がひどいときは手助けします。大人が市販の鼻水吸引道具を使って鼻水を吸い出します。呼吸しやすくなって哺乳もよくなります。でもたいてい赤ちゃんは鼻水を吸われるとき泣きます。痛いというよりびっくりするのと、抑えられるのが嫌なようです。とはいえ、ここでひるんでは親子とも楽になれません。バスタオルで海苔巻きにして、手早く左右一回ずつ鼻水をとりましょう。しっかり固定して短く終えます。飲む前や寝る前にとってあげるのがおすすめです。

 

鼻をかむことと躾

 

教えてできるようにする鼻かみという行為は、少しオムツはずしに似ています。多くの子はわりと根気強く声かけして、やっと鼻をかめるようになるようです。目と心を配られて習得するのでしょう。つまりその子が鼻をかむかすするかは、育った環境を想像させます。だからお受験の子には、鼻をかむように外来でひっそり念押ししています。誰かが細かいところまで見ているかもしれませんので。

さて、えらそうに書きましたけど、実は自分もけっこう鼻をすすっていました。でも風邪をこじらせて懲りたのです。長引いてつらかった。もう繰り返したくない。そして海外では鼻をすすると品がないと思われる恐れがあります。本当にいいことがない鼻すすり。今はこっそり鼻をかむ技を向上させています。「鼻すすらない派」が増えることを願いながら。

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