自分の体をグーパンチ?気とリンパを流す「叩き療法」

2016年09月16日

元気のヒント・松浦優子の台湾暮らし(金曜更新) 第43回

 

台北の朝の公園で見かけた、自分の体を叩きまくるおばさん。実は、気やリンパの流れを良くするため、経絡(けいらく)を叩いていたんです。頭痛や足やせに効果のあるという「胆経(ダンジン)」、叩いてみましょう!

 

早朝の公園で体をたたきまくるおばさんの謎

 

台湾の朝。早ければ4時過ぎから、公園を訪れる人の姿が見られます。比較的若い人たちは、日本と同じくおしゃれなウェアに身を包み、ジョギングをしたりしています。年配の方たちはウォーキングや体操をしているようです。

 

▲台北市・大安森林公園は都会のオアシス

 

ある日、珍しく朝の公園を歩いていたときのこと。

「バシバシバシバシ!」という音が耳に入ったので思わず振り向きました。するとそこには、

ものすごい勢いで自分の体を叩きまくっているおばさんが。

 

腕や足を上から下へ、平手でバシバシ叩いているのです。動きとしては服についた汚れをはたき落とすような感じですが、すごい音がします。鬼気迫る様子に、これはちょっとあぶない人なんじゃ・・・とすごすご帰りました。

 

でも、後日気がつきました。他にもいるんです。最初のおばさんは平手でしたが、別のおばさんは、片方の腕を斜め上に上げて、もう片方の手で脇の下をがんがんチョップ。力任せに叩いているようにしか見えません。

 

左右の脇をチョップした後、今度はグーで、自分の胸元をボコボコ殴り始めるではありませんか。まずは右手で、左側の鎖骨の下あたりを。次に左手で右の鎖骨の下あたりを。ボゴッ、ボゴッという鈍い音が響きわたります。こ、こわい。

 

これは一体なんだ・・・?!自らを痛めつける何かの宗教の修行か何かか? 

 

マッサージと同じくらいポピュラーな「叩き療法」

 

その謎は、刮痧(グアシャ:かっさ、連載第35回参照)を体験しに行ったリラクゼーションサロンで解けました。

 

そのサロンでは、推拿(トゥイナー:連載第15回参照)を取り入れた独自のマッサージを施術してくれたのですが、その前にマッサージ師さんが、

「じゃあ、マッサージの前に、経絡(けいらく)の流れを良くしましょう」と、私を立たせました。

 

漢方で、気やリンパが流れているルート・経絡は、よく流れが滞って不調の原因になります。経絡の通りを良くすることはとても大事なんです。

 

「じゃあ、まずはこうやって」と、私に教えてくれたのは・・・あっ!公園でみた「脇の下チョップ」だ!脇の下を手でつかんでぐりぐり揉みほぐし、さらにチョップ!

「もっと強く!」と、指導されるままに脇をチョップします。

 

さらに。「次はここも!」と指示されたのは、足の付け根部分。これも両手でチョップします。

「こ、こうですか?」

「そうそう!こんな感じで叩いてね!」(バシッ!)

「結構痛いですよ・・・」

「痛いってことは流れが滞ってるの。痛きもちいいくらいの強さを維持して!」

バシッ、バシッ、バシッ、バシッ!

 

この姿・・・全力でビートたけしの「コマネチ!」をやっているようにしか見えないなあ。

 

▲この、足のつけ根の所を・・・コマネチ!コマネチ!(違います)

 

太ももの外側の「胆経」叩きで、消化改善・足やせ・デトックス

 

この、経絡(けいらく)を叩く療法は、「敲打(チャオダー)」とか「拍打(パイダー)」などと言われ、頭から足までの気やリンパをスムーズに通すのに有効な方法だと考えられています。そうか、公園のおばさんたちはこれをやっていたんですね。

 

叩くときの手の形による分類や、マッサージ棒など道具を使った叩き方など、専門的にはとても細かく分かれているそうですよ。

 

人体の経絡は12本あり、体内の12の臓器をつないでいるとされます。以下がその名称ですが、「経」の前に中医学の内蔵の名前が入っているのが見て取れます。

 

 

私が「昨日の夜偏頭痛で・・・」と某SNSに投稿したところ、マッサージサロンを経営している台湾の友人から、「膽經(胆経:ダンジン)を叩け!」というアドバイスをもらいました。12の経絡のひとつの「足少陽膽經」のことです。

 

▲足少陽膽經

 

「胆経」は、顔から足先までの体の側面を通る経絡で、この流れが良くなると胆嚢(たんのう)が活性化すると言われます。

 

「胆経」の通りを良くすることの効果は色々あるようで、頭痛軽減・不眠改善・消化機能改善・デトックス(排毒)・白髪改善など。特に、太もも痩せに効果があるエクササイズとして台湾女子に人気のようです。

 

太もも部分の「胆経」上には、4つのツボがあります。だいたいの位置で大丈夫なので、上から下へ向かって、このツボあたりを順番に叩いていきます。

 

▲「胆経」の4つのツボ

 

ツボの名前も書いておきます。①環跳穴(かんちょうけつ)、②風市穴(ふうしけつ)、③中瀆穴(ちゅうとくけつ)、④膝陽關穴(ひざようかんけつ)です。①~④を1セットとし、グーの手の背(第二関節)で順番に叩きます。強さは痛みを感じるくらい。回数は、一日あたり左右それぞれ50回ずつを勧めるものが多いです。

 

最初は頭痛改善に効くといって教えてもらった「胆経叩き」ですが、調べてみたら太もも痩せ効果が最もメジャーなようなので、がぜんやる気が出てきました。

 

あ、くれぐれもアザにならない程度に叩いてくださいね。あと、女性は生理中に「胆経」は叩かない方がいいそうです。

そして。台湾の公園で体をビシバシ叩いている人を見ても、驚かないでください。

 

 

プロフィール

松浦優子

 

東京都出身。Web広告ディレクターとして勤務後、ひょんな縁で台湾・台北に語学留学し、すっかり台湾に魅了される。帰国後に日本語教師資格を取得し、現在は外国人向け日本語レッスンや台湾現地ニュースの日本語翻訳などを手掛ける。その後も台湾には年数回のペースで訪れ、一年のうち約1か月は台湾に滞在。現地の友達との旧交を温めつつ、もっと深く台湾を知るべく取材活動を行っている。

 

編集:プサラ研究所

 

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