がん患者の心のケアと体の癒し(アロマテラピー講座~Vol.2)

2016年07月27日


今や世界じゅうで毎年約600万人のガン患者が生まれていると言われています。
ご存じのように、日本でも近年の死亡原因の第1位は「ガン」。4人に1人はガンを患い、尊い命を落としているのです。このコラムでは、天然生薬による薬効を長年にわたって研究してきた著者が「植物芳香療法」(アロマテラピー)で、ガンを患った体を癒し、心をケアする方法についてご紹介します。

 

なぜ今、アロマテラピーなのか?


現在、日本人の4人のうち1人はガンが原因で亡くなっていると言われますが、この数字が物語るのは、私たちの身近なところでガンを患い、闘っている人たちが大勢いらっしゃるということです。

どんなに生活習慣に気を配り、バランスのとれた食生活を送っていても、ガン細胞はいつのまにか私たちの体内に発生し、増殖する可能性があります。というのもガン自体、正常な細胞の一部が変質したものですから、そう考えると、私たちが生きているかぎり、異質な細胞が発生したり消滅したりするのは避けられない現象としてあるのではないでしょうか。
問題は、私たちの体内の、約60兆個の細胞の一部であるガン細胞を、どうやってなだめるか、ということです。
なぜ今、アロマテラピーなのか? それは、よく吟味されたアロマテラピーはガンをなだめつつ体内の自己回復力を高めることができると、私は信じているからです。まさしくこれは現代医学による治療法を補う、自然療法といえます。

 

ガンに関していえば、今まで外科手術、放射線療法、抗ガン剤の投与が主体で、患者の皆さんの心の健康まで手の届く治療がいきとどかなかったのでは、と思います。
私たち人間は、単なる物体ではありません。ですから、患部を切り取ったり、放射線を照射したり抗がん剤で叩いたりするだけでは足りないのでは?と思えるのです。
私は、薬剤師の立場から、今までの治療法は、対処療法として即効性があることを認識していますし、決して否定する気持ちはありません。なぜなら外科的・化学的治療によって、ガンを患った方々がずいぶんたくさん回復し、社会復帰していく姿をこの目で見てきているのですから。
むしろ、こうした最先端の治療法を補い、心をケアして精神的にリラックスした状態に導き、自然治癒力を高める……こうしたことを可能にするのがアロマテラピーだと思っています。

 

患者にとって大事なのは心のストレスを軽減すること


東洋医学では、心の緊張やストレスは身体に現れるという受けとめ方をします。
人間というものは、心のもち方、つまり精神状態がデリケートに身体に現れ、病気の発症に深く関与しているのです。
当然、病気の回復にも、こうした心のありようが関わってきます。ガンを患っているというストレスをやわらげ、前向きな気持ちにしてさしあげることで、心身ともに好ましい状態が生まれ、免疫力となるのです。
病床に就いている人が無気力になっていたり、副作用で苦しんでいたりする状況を見るにつけ、そのストレスはいかばかりのものかと私自身、いたたまれない思いで診てきました。ガンは消えたけれど、体調が悪く、免疫力が低下していく人も少なくありません。
心が病めば、その容れ物(身体)も元気をなくします。アロマテラピーは、私たち自身の中にある自然治癒力を日々、少しずつ高めていく療法です。
アロマテラピーのひとつであるアロマオイル・トリートメントは、皮膚から、その精油の有効成分を行きわたらせる施術で、すでにロンドンの大きな病院で行われています。患者さんの家族や看護する方には「愛を伝える手段」として有効ですので、ぜひこのトリートメントを学んでほしいです。
病院の決して快適とは言えない環境下で、このトリートメントは臭覚と触角を通して、全身に心地よさを送り込み、患者さんに生きる気力をよみがえらせる一助となります。

次回は、具体的なトリートメントの療法とその効き方について紹介します。

<プロフィール>
長谷川記子(はせがわ・のりこ)

1955年、茨城県水戸市生まれ。星薬科大学薬学部卒業、薬剤師。在学中より皮膚科、予防医学、香りに興味をもち、ガンや認知症患者を対象にアロマテラピーの実践とQOLの向上に取り組む。有限会社チェリッシュ・インターナショナル代表取締役。本稿は自著『ガンを癒すアロマテラピー』(リヨン社)からの引用、抜粋による。

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