しつこいカサカサ、乾燥肌とスキンケア−保湿剤のぬり方、生活習慣の盲点

2016年02月17日

小児科医 Dr. しろくま子の“みんなも知っていたらいいのにと思うこと”(水曜更新) 第4回

 

気づくと肌が乾燥していて、なかなか治らないことはありませんか。赤ちゃんから大人まで、ドライスキンの症状はさまざまですが、共通の注意点は多くあります。長引く乾燥肌を体質と決めてしまう前に、下記のポイントの見直しを!

 

地道な保湿

 

何をぬるか悩むのもいいけれど、回数も重要です。皮膚にぬったものは汗や摩擦によって、数時間で落ちてしまうからです。このため処方の保湿剤を一日一回ぬるより、市販のクリームやローションをまめに使うほうがしっとりします。水仕事をする人の手、食べこぼす赤ちゃんの顎など、刺激が多い部分ほど保湿の回数が大切です。しつこいくらいクリームをぬって皮膚を守りましょう。もちろん面倒なのはわかります。でも、後回しにしているうちに粉ふき肌になってしまうかもしれません。慣れればたいした手間ではないと思います。駅のホームで、保湿している男性を見かけたこともあります!

 

子どもの保湿

 

赤ちゃんの体が乾燥していたら、おむつ替えのついでに保湿しましょう。おむつを捨てて手を洗い、服を整える前にクリームなどをぬります。うるおいの目標は、おむつの中の皮膚。おむつの中はしっとりしているでしょう?そして顔は食事の前後に保湿します。食べる前に何かぬると膜ができて、汚れや刺激から肌を守ることができます。食後はやさしく拭いてから保湿を。通園児は休日と夜に念入りに。できれば登園前後もぬりたいところ。少し大きくなったら、子どもが自分でできるように教えていくと楽になります。

 

入浴時のポイント:ぬるま湯、シャワー、洗浄料

 

1) ぬるま湯
熱いお湯は禁物。温度を高くすると皮膚の油分が落ち、水分が蒸発しやすくなるためです。食器洗いを想い起すとイメージが湧くのではないでしょうか。さらには皮膚が温まるとかゆくなりやすいので、ぬるま湯のほうがよいのです。長湯も避けます。寒い時期はお湯でなく浴室と脱衣場を暖めることをおすすめします。

2) シャワー
ためたお湯でなく、新しいお湯ですすぐことが大切です。浴槽は体を温めるためのもので、中のお湯は清潔とは言えません。浴槽を出たらシャワーを浴びます。皮膚の症状が強いときはシャワーだけにしましょう。

3) 洗浄料
「肌がかさついて赤くなってきたから、石けんを使うのをやめたけど治らない」とよく聞きます。汚れた皮膚にぬっても、有効な成分も吸収されにくいはずです。しかも不潔にしておくと、菌が増えることもあります。したがって皮膚が少し荒れているときも、一日一回は洗浄料を使ってきれいにします。刺激の少ないものを選んで優しく洗います。化学物質が残らないよう、入念にすすぐことが重要。赤ちゃんでは首やわきの下など、汚れや泡がたまる部分をしっかりと。

 

保湿剤やクリーム、軟膏のぬり方

 

入浴などで清潔にした後にぬります。水分はどんどん逃げていくので、保湿はなるべく早めに。そして薄ぬりでは十分な効果が期待できません。摩擦から守るためにもしっかりとした量を使います。顔にぬるときは優しくなじませていきます。イメージとしては、印鑑を押すときのよう丁寧に。皮膚のきれいな赤ちゃんも保湿をしたほうがよいようです。国立成育医療研究センターが、新生児期からの保湿でアトピー性皮膚炎の発症リスクを下げるという発表をしています。保湿剤や軟膏を処方されたら、一回にぬる量を確認しておきましょう。

 

摩擦と刺激、服の素材とスキンケア用品

 

赤ちゃんが大人のセーターに顔をうずめ、いつのまに頬を赤くしていることがありますよね。摩擦は皮膚の大敵。顔を洗うときや拭くときもやわらかく。ガーゼは優しいようで、強くこすると肌が負けてしまいます。そして下着は古くないですか。汗を吸うはずの綿も、洗いざらしは痛いだけです。スキンケア用品は気候や状態を見て選ぶとよいようです。天然成分、オーガニックなら安心というわけでなく、残念ながら合わないことがあります。輸入製品に関しては、現地の気候を前提に作られていることを考慮します。

今回は外来でよく相談される乾燥肌についてまとめてみました。もちろん詳しくは皮膚科で聞くのが一番です。でも症状が軽くて受診する暇のない方に、役に立つ工夫を示せたらと思って書きました。

 

 

 

◆参考文献
どうする・外来診療こどもの皮膚病 診察からアトピー性皮膚炎まで カラーアトラス
山本一哉/著

J Allergy Clin Immunol. 2014 Oct; 134(4): 824-830 Application of moisturizer to neonates prevents development of atopic dermatitis. Horimukai K, Ohya Y, et al.

 

 

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