抜け毛はなぜ起きる?脱毛症の原因と種類(1)

2016年10月06日

キレイな人は知っている!TSUBAKICHI(つばきち)の美容雑学 第10回

毛髪はある一定の周期で生えては抜けていくことを繰り返すヘアサイクルによって保たれています。ところが、何らかの原因で生える毛髪に比べて抜ける毛髪の方が多くなってしまうと、脱毛症となります。

実は、脱毛症といっても様々な種類があります。それぞれの共通する症状は「毛髪が抜ける」ことですが、脱毛のしかた、原因、そして治療法も変わってきます。これからいろいろなタイプの脱毛症について解説していきます。

 

成長期が短く終わってしまう休止期毛性脱毛症

 

まずは、毛髪の構造についてご説明しましょう。

 

 

黒い毛髪は、地肌の中で毛包と呼ばれる袋に包まれています。毛包の中の根っこに当たる膨らんだ部分を「毛球」と呼びます。毛球の一番下には「毛乳頭」と呼ばれる丸い部位があり、毛乳頭のまわりにある毛母細胞は毛細血管とつながって毛髪に栄養を取り込んできます。つまり、毛髪は毛母細胞から栄養を得て、成長していくのです。

 

さて、毛髪は、

成長期→退行期→休止期→脱毛

というヘアサイクルで生え替わっています。

 

正常な状態で毎日100本ほどの毛髪が休止期を迎え頭皮から抜け落ちていきます。遺伝やストレス、栄養不足などが原因でそのサイクルが乱れ、短い期間で成長期から休止期に移行することで脱毛症状を起こします。

 

男性の脱毛の大半を占める男性型脱毛症(andro genetic alopecia: AGA)

 

男性の薄毛や禿げのほとんどは男性型脱毛症(AGA)によるものです。AGAでは頭頂部を中心に次第に毛髪が薄くなったり(O型)、前頭部の生え際が後退していく(M型)のが特徴で、O型とM型の混合型もあります。また、あごひげ、胸毛、手足の毛が濃くなったり、頭皮が脂っぽくなったりするという特徴もあります。

 

 

早い人は17~8歳くらいから脱毛しはじめますが、40~50歳くらいの更年期になって急に始まる人もいます。

 

AGAでは、この毛母細胞にジヒドロテストステロン(DHT)という男性ホルモンが多いことが知られています。

DHTは、男性では睾丸で作られているテストステロンという男性ホルモンが、5α-リダクターゼという還元酵素により変換されて生じます。

DHTのホルモン作用はテストステロンの5倍と強力です。

 

DHTは本来、毛母細胞に働き成長促進因子を誘導し、その成長促進因子が毛母細胞を増殖させています。

ところが、遺伝的素因のある一部の人たちの前頭部から頭頂部では、DHTは成長阻害因子を誘導し、毛母細胞の細胞死を早めてしまいます。そうすると、毛髪サイクルは成長期から休止期に入ってしまいます。

これがヘアサイクルのたびに繰り返されると、太く長く育つ前に抜ける毛が多くなります。ひとつひとつの毛包がまだ小さい状態で成長期が終わってしまい、髪全体が次第にか細い軟毛から産毛のようになっていくのです。

 

*還元酵素:身体のなかの酸化物質に電子を与えて、還元する酵素

 

女性の脱毛症① 女性型脱毛症とは?

 

一方、女性にも男性ホルモンの影響による脱毛症が起きることが知られています。

女性は、卵巣から女性ホルモンを、副腎から男性ホルモンを分泌していますが、40歳ごろから女性ホルモンの分泌が徐々に減るため、相対的に男性ホルモンが多くなることが原因とされています。

男性型脱毛症とは区別して、女性型脱毛症と呼ばれています。

 

女性型脱毛症の特徴は男性型脱毛症とは異なり、頭頂部を中心として毛髪の数が減り、細くなっていきます。

男性のO型の部位ですが軟毛化は見られません。前頭部生え際はほとんど変化がなく、男性のようにM型になることはありません。

 

女性の中には年齢とともに前頭部が後退したり、頭髪全体が薄くなる(びまん性脱毛)人がいますが、これは男性型脱毛症と違って原因は単純ではありません。

女性型脱毛症を含め、びまん性脱毛、薄毛を訴える人は貧血気味であったり検査の結果甲状腺機能異常がみられることもあります。

 

女性の脱毛症② 分娩後脱毛症・ピル服用中止後脱毛症

 

妊娠して卵子が子宮に着床すると、女性ホルモンのエストロゲン、プロゲステロンの分泌が増加してヘアサイクルの成長期が延長され、移行期、休止期に移行しなくなるため抜け毛が止まります。

しかし、分娩が終わると正常のホルモン状態に戻るために延長されていた成長期の毛髪が急に移行期、休止期へと変わり脱毛が起こります。

 

ピルも女性ホルモンのエストロゲン、プロゲステロンの複合製剤ですので、服用中は妊娠状態を人工的に作り出しているのですが、服用中止後には分娩後と同じような正常なホルモン状態に戻るので、脱毛が起こります。

しかし、これらはいずれも6か月~1年6か月くらいで自然治癒します。

 

フケが目立ったら注意!脂漏性脱毛症

 

頭皮には皮脂腺が多く存在し、常在菌も多く生息していて3~4日も洗髪をしないと過酸化脂質など炎症性の化学物質をつくったり、常在菌のマラセチア・フルフルなどの真菌(カビの仲間)が頭皮を刺激して表皮のターンオーバー機能を著しく短縮させることにより角質の脱落を促進し、大量のフケの発生を促します。

このフケが多くなった時に脱毛症状を起こしますが、頭皮に生じた炎症性の化学物質などが毛孔を通じて毛根に作用する結果、毛母細胞に変化が起こり成長期毛が休止期毛に変化するためではないかと考えられています。

 

 

脂漏の体質を持った人の頭皮に白いフケの塊のようなものがつき、毛孔に赤色の丘疹を生じる頭部脂漏湿疹がありますが、このような場合に休止期毛の脱毛が多くなることがあり、これを脂漏性脱毛症といいます。

真菌の殺菌効果のあるシャンプーで洗髪するなどの局所療法のほかに、1日にビタミンB2を40mg、B6を20mg内服するとかなり好転することがあります。

 

甲状腺機能障害による脱毛

 

甲状機能が低下した場合に、頭皮全体にわたり毛髪の艶がなくなりパサパサと乾燥し、脱毛が起こります。また、眉毛の外側3分の1が脱毛するほか、体毛の減少も見られます。

反対に甲状腺機能が亢進した場合にも40~50%の割合で休止期毛の脱毛が起こります。

 

ダイエットでも脱毛します

 

毛髪も皮膚の角質も爪もみんな、硫黄を含んだケラチンというタンパク質からできています。

無理なダイエットによるタンパク質不足から、皮膚の乾燥や無月経、脱毛などの症状を起こします。

毛髪の色もやや茶味がかったり、乾燥するために艶がなくなり細くなります。

ダイエットによる栄養失調が続くと、血液中のタンパク質が少なくなり、作られた毛髪の完全な角化が出来なくなる可溶性タンパク質が増える結果、断毛や脱毛が起こりやすくなります。

バランスのよい食事を心がけましょう。

 

いつも同じところを結んで髪をまとめていると、牽引性脱毛症に

 

 

毛髪を長年にわたり固着力を上回る力で引っ張っていると、毛乳頭部分が委縮し脱毛につながることがあります。

ポニーテールや三つ編み、アップなど、ヘアスタイルを長年変えることなく神経質にぎゅっとまとめる人や、職業上ではバレリーナ、シンクロナイズドスイミングを行う人に額が広くなっている人がいるのはこの牽引性脱毛症と考えられています。

 

脱毛の原因と種類はたくさんあることがおわかりいただけましたでしょうか? 実はまだまだあります。次回も引き続き脱毛症についてお伝えしていきますね。

 

 

参考文献

社団法人 日本毛髪科学協会「新・ヘアサイエンス」

 

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